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https://mane-talk.com/inspection-to-hongkong1/
香港は個人の投資が法律で義務付けられている
香港では初めから「老後は年金だけじゃ無理だから、国だけに頼らず自分でも稼いでね」という考え方が教育され根付いています。
この「自分でも稼いでね」は、定年後も働いてね、という意味ではなく、現役世代の内に労働者から資本家にシフトしていって、自分でも年金以外の不労所得を用意してね、という意味です。香港では個人での投資は当たり前のことなのです。
これ結構すごくないですか・・・!
毎月給料の10%(だったと思う)が天引きされ、雇用している企業もいくらか負担して、ファンドマネージャーに託す。
これを例えば就職する20歳から定年の60歳まで積み重ねることで、定年後は年金+運用利益で生活を賄っていく、というのが香港のスタンダード。
しかもこれ、ちゃんとやらないと罰則があります。
法律でそう決まっているんだそうです。
日本は金融商品の利率がナメてるほど低いので、これと同じことをするのは難しいです。
だって海外の金融商品ばっかり売れると日本国債とか見向きもされなくなって、歳入が圧迫されるからね。そのための金商法。
日本人の投資や不労所得のイメージは「ほぼ詐欺」「怪しい」「金持ちの道楽」くらいのもんですから、うまいこと飼い慣らされてるなーと。
ロクに金融の教育もしないから詐欺との見分けもつかなくて、騙された人をメディアで大々的に取り上げて、「それ見たことか!投資なんてうまい話あるはずない!やっぱり真面目に働くのが一番!」と更に刷り込んでいく。露骨過ぎてワロス。
その一方で、「数十年後、いくら年金が払えるかわからないけどとにかく働け!働かざるもの食うべからずじゃー」なんて言ってる日本の労働美徳思想は戦国武将さながらで、戦後の「欲しがりません勝つまでは」からほとんど変わっていないんじゃないかと思います。
香港は4歳から英語とかの宿題がある
金融の話とは直接関係ありませんが、これもビックリでした。
それどころか、子どもの頃から家庭内では広東語、おじいちゃんとは北京語、ヘルパーさんとは英語で話す、みたいなことが珍しくないそうで、生活の中でバイリンガルやトリリンガルが育つ環境。
実際、僕をサポートしてくれたシンさんも、銀行員との私語が広東語で、手続きは英語で、僕とは日本語で話してました。アンビリーバボー。
日本では授業に英語こそありますが、全く喋れるようにはならない授業で、習い事として英語を習う習慣がありますが、少なくとも英語を話せることがビジネスの場ではまったく差別化になりません。
東京のコンビニバイトでさえバイリンガルの外国人が山ほどいるしねw
何でもそうですが、それをやる目的を明確にすることが大事だなーと全然関係ないことを感じた次第。
タクシーは安いけど車は高い
日本車だったか外車全般だったか忘れましたが、新車を買う際の関税が100%なんだそうです。
日本で500万円の車を香港で買うと1000万になる、ということです。
これは高い…けど、日本車やBMW、ベンツ、ポルシェなんかがガンガン走っていて、見慣れない車を探す方が大変なくらいでした。
なんでそんな高いものを買うの?と聞くと、「高いから」という答えが返ってきました。
高い車に乗ることがステータスということでしょう。
これって日本のバブル期にも見られたことで、高額商品が飛ぶように売れていた時期があって、その理由は同じく「高いから」。
いつの時代も、国境を跨いでも、高額なものを所有することがステータスというのは変わらないようです。
一方タクシーは初乗り360円くらい。
メーターの上昇も緩やかだったような気がします。
香港では車を買うより一生タクシーに乗った方が安いと言われるくらい、タクシーは一般的な移動手段のようです。
ただし、運転めっちゃ荒い。
日本で危険とされる「急」が付く運転をこれでもかというくらい駆使してきます。
5回乗って全部そうだったから、香港ではこれがスタンダードドライブなんだと思う。
そういえばマレーシアに行った時も荒かったなぁ…マレーシアは荒いだけじゃなく、乗員に断りもなくどんどん相乗りまでさせてきます。
香港の自殺率は日本の1/3
日本が世界有数の自殺大国というのは有名な話で、近年減少傾向にあるとはいえ、いまだに年間20,000人以上もの人が自ら命を断っているそうです。
日本の人口が1億2,700万人(2016年時点)なので自殺者は全体の0.016%。
香港はこの1/3らしいので、単純計算で大体0.005%ということになりますが、香港の人口は734万人(2016年時点)なので、人数に換算すると僅か367人ということになります。
また、日本では自殺の理由に仕事にまつわるものが多く見られますが、シンさんからすると「仕事で自殺するなんて信じられない。死ぬくらいなら辞めればいいだけなのに」と一蹴していました。
じゃあ香港の人は何が理由で?と聞くと、「ほとんど恋愛ですよ」と苦笑していたのが印象的でした。
年齢やキャリアなど、社会構造的に次の職に就くことが比較的難しい日本では、そうまでして今の仕事にしがみつかなきゃならない背景もありますが、僕はシンさんと同感だなー。
命より大事なものなんてそうそう無いし、ましてや仕事なんて、ね。
香港では2つ以上の仕事をするのは普通のこと
東南アジア特有なのかもしれませんが、道行く人のガツガツ感が凄い。
普通に歩いてるだけでガンガン何かを売り込みに来るし、信号待ちで停車している車の運転席に子どもが近寄っていって花を売ったりしているのを見ると、表立ってお金を稼ぐことは至極普通のことで、なんというか、日本にはない生きるための強い勢いみたいなものを街全体から感じます。
会社に合わせて、給料に合わせて生活するという考え方は薄く、仕事はあくまで生活の手段で、希望する生活の水準に合わせて仕事を選び、増やすという感じ。
無駄に残業もせず、定時になったらスパッと帰る。
仕事が途中であっても帰るし、路面店なら買い物中の客を追い出して店仕舞いするなど、明らかにプライベートの優先順位が高いのも見て取れます。(これは一部香港の話じゃないけど)
この旅で香港の色々な事情を教えてくれたシンさんも、仕事は3つしていました。
僕のサポートはサラリーマンとしての仕事、この他に自営業で不動産の仲介と、コンタクトレンズの通販。
まとめ
そんなわけで、金融も生活も、あらゆる常識が日本と異なっていた香港。
観光に行っただけではなかなか知ることができない、貴重な話を沢山聞かせてもらえました。
土地が変われば文化が変わるのはわかりきっていることだけど、仕事やお金に対する考え方、金融リテラシーについては見習うべき部分が多々あったし、日本の課題のようなものが見えた一方で、そういう意味では僕は海外の考え方、働き方の方が合ってるなーと思った。
それはあくまで海外の話であって、日本では無理でしょって思うかもしれませんが、忠誠心が支えてきた一本気な日本で、ついに国単位で複業が解禁されてきた今日の状況を鑑みれば、自分の生活を確立するため、より満足行く生活を実現させるためにも、毛嫌いせずに副業やお金のことについて、もうちょっと真剣に学んで実践してもいいんじゃないかな、と思わずにいられません。
どれだけ忠義を尽くして会社で頑張ったって、生活を保障するなんて一言も言ってないし、「会社が潰れた(リストラされた)せいで人生がめちゃくちゃになった!」と吠えたって、それは自己責任でしょ、って放り出されるのがジャパニーズスタンダードなんだから。
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