・転職に有利な資格はなんだろう?
・将来の転職を見越して勉強するなら、どの資格がおすすめ?
こんな人のための記事です。
筆者の僕は、業種が異なる3つの会社で合計8年人事部をやっており、約3,000人の面接を担当しました。
また、人事部だけが参加できるコミュニティで100社を超える人事担当者と情報交換をしていた経緯があるので、人事部員の共通認識も理解しています。
そんな背景を交えつつ先に結論ですが、タイトルにある通り資格の有無で転職が有利になることはほぼありません。
本記事ではその理由と、じゃあ資格以外で転職が有利になるモノは何なのか?について解説します。
転職で有利になる資格なんてほぼ無い
なぜなら、「資格と能力はほとんど比例しない」という認識だからです。
じゃあ資格はどう見るかというと、努力の痕跡です。
努力は認めますが、合否の決定打にはなりませんので、アピール目的の資格勉強はコスパが悪すぎるのでやめておきましょう。
在職中の資格取得は強力な武器になる
資格を取るなら、今の仕事のスキルを高める目的で学び、その努力を資格という形に残すという使い方がおすすめです。
仕事の成果に直結しますし、昇給昇格にも影響します。
さらに「業務に関連する資格を在職中に勉強して取得した」というストーリーは次の転職で大きな武器になりますよ。
例外:応募必須資格
応募条件に必須資格がある場合はこの限りではありません。
とはいえ、「応募資格がある」というだけなのでこれも有利になるわけではありませんね。
資格が不利に働くケース3つ
以下の3つは逆に不利になります。
- 応募職種に全く無関係な資格
- 資格コレクター
- 保有資格に統一感がない
「とにかく資格を書いてアピールする」というのは場合により逆効果です。
資格の有無は実務の成果と直結しない
これが最大のネックでして、採用担当もこの程度のことはわかっています。
だから「有資格=採用に有利」とは直結しない、でも「一定期間努力した痕跡」としては多少評価できるという感じになります。
「資格ビジネス」のカモになってませんか?
資格業界はわりと闇が深い側面があります。
民間資格の多くは「自分にはアピールできるポイントが無い…何かないかな…」というニーズを満たすサービスと考えるとわかりやすいかなと思います。
それによって資格団体や資格スクールは利益を上げています。
ハッキリ言うと「不安は解消できるけど、何かで有利にはならない資格」も多いということです。
TOEICの影響力も限定的
有名な英語資格のTOEICでさえも、通用するのは日本・韓国・台湾などのアジア圏だけでして、世界的にはTOEFLやIELTSの方がメジャーだったりします。
「資格ビジネス」という概念を知らないと、資格ビジネスの良いカモになってしまうので、興味があれば以下も読んでみるといいかもです。
資格は認知されて初めて証明になる
なんでこんなことが言えるかというと、面接官だった僕が全くそれに価値を感じなかった(=有利になってなかった)からです。
僕が面接官の頃も民間資格をアピールの軸にする人が多くいらっしゃいましたが、「その資格、何?」というものが多かったです。
つまり、相手がその資格の中身を知らないと、保有している知識やスキルの証明にはならないのです。
CtoCなら多少有利になる場合も
たとえば「一般の主婦に料理を教える」という場面なら、民間の栄養関連資格は有効だったりします。
言葉を選ばずに言うと「その資格が何かはよくわからないけど、なんか凄そう!」という程度のリテラシーの人に対しては権威付けになるからです。
業務とは違って「その資格を持っているんだからこれができて当たり前」という成果は要求されませんしね。
民間資格をディスってるわけではなく、有利になるかどうかは「使い所」にもよるということ、就職や転職の場面では微妙、という一例です。
転職で有利になりたければ資格より能力とスキルを磨け
資格を取る過程には楽しい一面もあります。
なぜなら、ゴールとプロセスが明確で、努力量が素直に「得点」という目に見える結果に反映されるからです。
ところが、ビジネスシーンではどうかというと…真逆な場面が多いですよね。
ビジネスで必要な能力とは
募集要項でよく見かける文言ですが、
- 自分の頭でプロセスを考える能力
- トライ・アンド・エラーを繰り返して正解を探し出す能力
- 未知の領域を切り開いていく能力
ビジネスではこういった能力が必要とされるので、努力の仕方も頭の使い方も、資格取得とは大きく異なります。
資格の多くは「既に敷かれたレール」を「暗記」という能力でクリアできますが、ビジネスでは「レールを作る能力」と「スキル」が必要です。
有利になるスキルとは
それは、数字で証明できる・可視化できるスキルです。
たとえば以下のようなものです。
- 営業職:売上金額や経験年数
→ 年間売上3,000万円、BtoBの新規開拓営業(5年) - エンジニア:扱える言語と実務経験年数
→ CSS(5年)、Ruby(3年)、PHP(2年)
これならその人が「どの領域でどのくらいのスキルがあるのか」が認識できますよね。
それを証明する資料やデータなどを添付できれば完璧です。
IT業界は特に「可視化できるスキル」が重要視される
IT企業の人事部で採用担当をしていた頃、その人のスキルを計る指標として重要視していました。
コーディングなどの下流業務を長年担当してもキャリアアップは難しいので、IT業界でキャリアを積んでいきたいならオンラインスクールなどで「可視化できるスキル」を身に付けるべきですね。
ちなみに、TechAcademyというオンラインスクールなら無料体験でWebサイト制作くらいのレベルまで学べるのでおすすめです。
プログラマーにしてもWebデザイナーにしても、Web制作スキルはIT業界で重宝されるスキルなので、身に付けておけば軽く月10万以上は稼げるようになるはず。
「可視化できるスキル」は収入の安定に繋がりますよ。
補足:スキルや実績の証明が難しい職種
事務職、看護職など、「どのくらいその仕事ができるか」を証明しづらい職種もありますが、これも「相手が認識できる言葉でスキルを可視化」すればOKです。
実際僕は、実績の証明が難しい「人事」というバックヤード職でしたが、内定が出なくて困ったことはありませんでした。
なぜなら僕は、可視化できるスキルを持っていたからです。
資格で盛らず、本質を高めよう
最後にもう一度、要点をまとめます。
- 転職に有利になる資格なんてほぼ無い
- ただし、在職中の資格取得は武器になる場合あり
- 資格勉強に時間を使うより、能力とスキルを高めるべき
- スキルや能力は可視化すればアピールできる
- スキルと能力を高めれば引く手あまたです
ということで、結論は至ってシンプルでして、「資格で自分を大きく見せる」のではなく、「本質的なスキルや能力を高めましょう」ということ。
そうすれば人材としての市場価値が高まり、転職で有利になりますよ、という話でした。
目標に向けて努力をするのは本当に素晴らしいことです。
ですが、本質からズレてしまうとせっかくの努力が実を結ばなくなってしまいます。
改めて「資格取得」の目的は何だっけ?と考えると、「転職して給料を上げること」だったり、「今の仕事のより上流を目指す」などかなと思います。
目的によっては「資格取得」がかえって遠回りだったり、あまり意味が無かったりすることが多々あるので、この記事をキッカケに改めて「目的」を考えてみていただけたらなと思います。
なお、以下の記事で転職したい方に向けた動き方や、使えるサイトとエージェントをまとめています。
登録がまだの方はぜひ登録してみてください。特に転職エージェントは無料で強力なサポーターになってくれるので、一度相談してみるといいですよ。
僕はエージェントのお陰で4回の転職全てで選考通過率が上がり、年収も増えていきましたので。
>> 4回の転職でわかった!おすすめ転職サイトと転職エージェント
この記事が参考になったら
\Follow me!/
Follow @GAKU_gflat