最近、キャリアとお金の相談を受ける機会がとても多くなりました。
その中で先日、10年来の友人が僕のキャリアコンサルを受けに来ました。
彼女は契約社員として働いてきて、間もなく契約期間が満了するに当たって、正社員登用のオファーが来たけど、なんと給料は下がるという提示。
契約社員として他の会社を探すべきか、給料が下がっても正社員になるべきか、答えが出ずに悩んでいる、という相談内容でした。
「AとB、どっちがいいと思う?」という相談に対して、「Cがいいと思うよ」と提案したところ、彼女の悩みはスカッと晴れたようでした。
僕はキャリアコンサルもできるので今回のように依頼があれば引き受けていますが、「キャリアデザイン」をどんなに頑張っても改善しないことがあります。
全ての会社勤めの人が大なり小なり悩んでいる話だと思うので、悩みが晴れればと思いまとめてみました。
「正社員か、契約社員か」という論議の異なる結論
あとで詳しく話しますが、
●既に正社員で定年までいくつもりなら正社員
●ずっと続けるのは現実的じゃないと思うなら契約社員
これでFAですが、僕は絶対に正社員は勧めません。
一般的にはまだ「正社員安定志向」が根強いですが、いつも言っているようにこれからは「複数の仕事を掛け持ちする」のがスタンダードになります。
一見不安定と思われる契約社員ですが、時間外勤務手当や超過勤務手当など様々な手当が付いていて、時給換算すると正社員より高いケースは決して珍しくありません。
そして何より、自分の時間が多く確保できるという最大の利点があります。
一方正社員は、社会保険が充実していて雇い止めされにくいことを指して「安定」というイメージが強いですが、クビになったり会社が倒産すれば事実上の雇い止めなわけで、僕が人事の頃もこういう人の面接を何回やったかわかりません。
正社員の大きなリスクは、「その会社以外で働けなくなる」という部分です。
今はパラレルキャリアで複数の仕事を掛け持ちした方が間違いなく安定します。
収入源の分散にもなりますからね。
Wワークと聞くとこれも不安定というイメージがあるかもしれませんが、むしろWワークの方が安定します。
1つの会社にだけ勤めてクビにでもなろうものなら一気に収入は0、精神的にもかなり追い詰められますからね。
これが30〜40代で起きたら・・・それこそ1社の働き方しか知らないようでは正社員返り咲きすら難しくなるでしょう。
こんな理由から、キャリアコンサルをした友人は、「選択肢A:契約社員」、「選択肢B:正社員」という2択を条件で選ぼうとして悩んでいましたが、僕が「C」という選択肢を提案したことで「A」でいることのメリットと目的が明確になって悩みは晴れたのでした。
どんなにキャリアデザインにこだわっても決して不満は消えない
どんな会社に勤めて、どんな仕事をするか、というのは大きな課題です。
でもここで自分が置かれる環境は、極めて不安定と言わざるを得ません。
●人間関係がいい → 異動したら即変わります
●上司がいい人 → 上司が交代したら即変わります
●今の仕事が気に入ってる → 異動したら即変わります
●家から通いやすい → 異動したら即変わります、引っ越しますか?
今が良くてもずっといいとは限らない、これを「不安定」と言うんだと思います。
そして、キャリアデザインとライフデザインは完全に連動しています。
●誰と付き合うか
●どこに住むか(地域や家賃の予算)
●余暇の過ごし方
●ランチの予算
生活そのものを人生とするなら、その多くを他人(=会社)が握っているので、自分の思うような生活をデザインすることはできません。
「自分がしたい生活」ではなく、「今の勤務地と収入でできる範囲の生活」に、自分の生活サイズを合わせることしかできないのです。
言うなればこれは、「ライフデザインを他人に押し付けられている」状態。
仕事以外の生活にまつわる不満は、元を辿ればこういうメカニズムなので、転職で解決するのは事実上不可能だということです。
僕もサラリーマン時代はまさにこの渦中にいましたが、今は夫婦そろって必要なもの、やりたいことに合わせてその予算を稼ぐ、というスタンスになったので、生活サイズは自分が望むように広げていけるようになりました。
多分、今感じている充実感は、「自分の人生をどうデザインするかは自分次第で、努力次第でそれはドンドン広げていける」ということに対する充実感なんだと思います。
自分でライフデザインをするなら、仕事は3つするのがいい
もし自分からライフデザインをできるようになりたいと思ったら、仕事は3つやるのがいいな、というのが現時点での結論です。
「仕事」という単語から連想することは人それぞれだと思うので、「1つでこんなにクソ忙しいのに3つとかバカかwww」と思う人もいるかもしれないのでちょっと補足しますね。
・「フルタイムの仕事を3つやれ」という話ではない
→ それは現実的に無理。
・「1つで全く時間に余裕が無い」場合は、それこそ転職を検討すべき
→ 他のことをやる時間が無ければ収入を増やす余地がない。
・「役割の異なる仕事」を3つする
という3点を踏まえて、「役割の異なる仕事」というのは、
1.今を生きるための仕事
→ つまり今やっている仕事。
2.短期で収入を増やし、自分の価値を高める仕事
→ スキルや経験を活かしたマイビジネスを持つ。
3.将来豊かに暮らすための仕事
→ 1,2とは全く異なるストック型のオウンビジネス。
この3つです。
1についてはいいですね。
2は、昇給を期待するよりもマイビジネスを持った方がずっと確実で、昇給よりも増える金額も大きいので、これが「給料でできる生活」の枠を一回り広げてくれます。
枠が広がるというのは、家賃を上げて少し広い家に住むとか、車を買い換えるとか、子どもの習い事にお金がかけられるとか、そういった給料だけではできなかったことです。
つまり、自分でライフデザインできる余地が生まれる。
これについては電子書籍「副業のはじめ方」で具体的な方法をまとめています。
3は、セーフティーネットです。
働けなくなった、会社が潰れたときでも担保される収入、資産。
これについては以下の記事で掘り下げたのでこちらをどーぞ。
2と3を広げていけば完全に会社への依存を絶って独立することが可能になってきますし、3を広げていけば完全に自由な暮らしも可能になります。
給料への依存度を下げれば下げるほど、自分でライフデザインできる範囲が広くなる、ということです。
ライフデザインができると、転職では解消しなかった不満はほぼすべて無くなると言っても過言ではありません。これ、伝わってますかね?
仕事の意味付けを変えると人は元気になる
何が不安かと言えば、「今の仕事がいつまで続くのかわからない」「いつまで続けなければならないのかわからない」という部分が大きいと思います。
自分はとりあえず定年までいるつもりでも、定年まで会社が持つのかどうか、10年後も今の部署にいるのかなんて読めませんよね。
今やっている仕事が、「自分がキャリアデザインできるようになるまでの繋ぎ」という意味付けに変わると、それは「定年より早く終わりが来る仕事」ということがわかり、不安がほとんど消えるようです。
そして、「自分でライフデザインできるようになるための仕事を持つ」ということがわかれば、将来への不安は期待に変わります。
たくさんの方のキャリアコンサルをする中で、「先が見える」ということがどれだけ人を元気にするのかを目の当たりにしてきました。
うまい言葉が見つかりませんが、この将来への期待を「希望」って呼ぶのかなぁと感じています。
まだ実際に生活に変化が起きていなくても、その意味付けが変わっただけで、その人は目に見えるほどの活力を宿してるわけですから。
電子書籍「副業のはじめ方」はこちら。
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いつも更新有難うございます、毎日見させて頂いております。契約社員の方がメリットがあるというのは興味深い話でした。今は本業(サービス系)にちょっとした副業をしていますが将来に不安もあるので物凄く為になりました。
こばんさん
コメントありがとうございます!
そう言っていただけると嬉しいです。
副業は何をされているのかわかりませんが、成功をお祈りします!