断言しますが、この記事で解説する本質を知らずに面接を完全攻略するのはほぼ不可能です。
なぜなら、僕はこれまで3,000人以上の面接を担当してきており、多くの応募者が「面接の本質」を理解せずに不採用になっているのを見てきたからです。
本記事では面接の本質と、合格率が高まるコツについて解説しています。
この記事を読むと、面接への取り組み方がガラっと変わり、余計なことに迷わず堂々と振る舞えるようになるはずです。
転職面接の落とし穴|面接の本質3つ
面接の本質は以下の3点です。
- 面接に必勝法は存在しない
- 点数稼ぎは無意味です
- 不採用の理由は能力不足ではない
順に見ていきましょう。
面接の本質①:面接必勝法は存在しない
理由は以下の2点です。
- 会社によって採用基準が違うから
- 面接官1人1人の主観に左右されるから
この前提があるので、「面接必勝法」や「想定問答の練習」はハッキリ言って無駄です。
逆に、そのテンプレートをなぞることで「その他大勢」と同じような受け答えしかできなくなり、合格率はむしろ下がります。
実は面接官はテンプレートは聞き飽きていて、「他の人と違う部分」を探そうと注意深くあなたの話を聞いています。
世の中に出回っている「面接対策」の大きな弊害だと思います。
面接の本質②:点数稼ぎは無意味です
「相手が求める人物像を演じる」というスタンスの応募者が後を絶ちませんが、これは根本的にズレています。
転職活動における面接は「いかにうまく相手企業に気に入られるか」ではなく、「今のあなたをいいね!と評価してくれる企業を探す」行為です。
これはぜひ覚えておいてほしい部分なので、後ほど詳しく解説します。
面接の本質③:不採用の理由は能力不足だけじゃない
不採用の理由は教えてもらえないのが普通なので、何度も続くと
自分は価値がない人間なのかも知れない…
と、どんどん自信を無くして疑心暗鬼になってしまいますが、これは勘違いです。
不採用の理由は3つある
僕が3,000人を面接してきた感覚では以下のような感じです。
- 判定不能:全体の60%
- 会社の事情:10%
- スペック不足:30%
実は一番多いのは「判定不能」です。
面接対策をし過ぎて、その人の個性や本質的な部分がほとんど見えなくなってしまっているというパターンでして、これは判定の土俵にすら上がれていません。
②の会社の事情というのは例えば以下のようなものです。
- 人物としては申し分ないけど、配属部署の上司と合わなそう
- スペックは悪くないけど、既に内定者がいる
- 能力は良いけど価値観が会社のカルチャーと合わない
不採用になったからといって、あなたがスペック不足だとは限らないので、自分を責めない方がいいです。というか、答え合わせもできないので、これは悩んでもしょうがないです。
答えが出ないことに悩んでも不毛なので、「理由はわからないけど縁が無かったんだな」くらいに思っておけばOKです。
面接で絶対にやってはいけないこと→「反省」です
先に結論です。
面接の結果を受けてやってはいけないことは「反省」で
すべきことは「態度やスタンスを変えないこと」です。
【注意】面接の反省は逆効果です
不採用になったら「何がダメで落ちたんだろう?」と反省して次の面接に活かそうとしがちですが、これを何度も繰り返していくとどうなるでしょう?
あれがダメ、これがダメとどんどん個性を削り、全てにおいて無難な受け答えしかできない「無個性人材」になっていく
こうして「判定不能」な人材が出来上がります。
その証拠に、新卒採用では毎年のように年明け〜3月くらいの学生たちはみんな自信がなく、何かに怯えていて、全くパフォーマンスを発揮できない応募者ばかりになります。
繰り返しになりますが「会社と面接官によって評価基準が異なる」という背景があるので、なぜ不採用になったのかなんて気にしなくていいです。
1社が微妙と判断した要素が、他の全ての会社でも同じ判断をするとは限らないので。
大事なことは「変えないこと」
受ける会社によって相手が好みそうな自分を演じていたら、本当の自分の良さがどこにあるのかわからなくなります。
言うこともスタンスもコロコロ変えないこと。
繰り返しになりますが、転職活動は「今のあなた、いいね!」と評価してくれる会社を探す作業だということをぜひ覚えておいてください。
あなたらしく、あなたのままでいいのです。
自分の強みを正確にアピールする
- 「自分らしい」とは何なのか?
- 秀でているポイントがどこなのか?
あなた自身が上記を理解していますか?
これが「変えない部分」であり、どこかの企業が「いいね!」と評価してくれるポイントでして、これがわからないと戦いようがありません。
とはいえ、こういった強みや適正はなかなか自覚できません。なぜなら、自分にとっては「当たり前」で何も特別なことだとは思っていないからです。
強みや適性を正確に把握する方法
自覚しづらい強みや特性を把握するには、ツールで診断するのが一番手っ取り早くて正確です。
具体的な方法は以下の記事でまとめているので、合わせて目を通しましょう。
>> 元マイナビ社員が教える「自分に合った仕事」が見つかる診断2つ
面接合格率を高めるコツ5つ
以下では想定問答のテンプレートなんかよりももっと根本的な、合格率を高めるコツを5つ紹介します。
合格のコツ①:好感のポイントは2択
面接での振る舞いに関する疑問は、2択で考えると簡単です。
- 「不潔」よりは「清潔」な方がいい
- 「暗い」よりは「明るい」方がいい
- 「落ち着きがない」よりは「落ち着いてる」方がいい
- 「話が長い」よりは「短くまとまってる」方がいい
当たり前に聞こえるかもしれませんが、「好感」はシンプルな2択で成り立っていたりします。
極端かもしれませんが「なんか臭いし、髪ボサボサだし、暗くてボソボソ、しかも長々喋る割に、中身がない」みたいな人は面接以前の問題です。
「自分らしく」で大丈夫
一応注意点を言っておくと、「普段物静かなのに無理してハイテンションになる」みたいに無理をする必要はないです。
「暗い」と「寡黙」は似ているようで全く違う、みたいな話です。
背伸びし過ぎず「いい人材」を演じず、あなたらしく振る舞うのが一番です。
合格のコツ②:ユニークさをアピールする
面接のテンプレは捨てましょう。面接官はみんな聞き飽きています。
面接において「その他大勢と大差ない」というのは十分なマイナスポイントです。
ありきたりな表現や言い回しはほとんど聞き流していて、「他の人と違うこと」「その人の個性」が出る部分だけ注意深く聞いています。
薄っぺらいテンプレトークは一言で見破れます
「御社の経営理念に共感して志望しました」
「そうですか、具体的にどんな点にどのように共感くださったんですか?」
こんな感じで掘り下げると、ほとんどの人がしどろもどろになります。
なぜなら、「自分の考え」ではなくただの「暗唱」だからです。
点数稼ぎの迎合はやめましょう。
中途半端な意識で思ってもいないことを言っても、中身が無いとわかった瞬間マイナスになるだけです。そして、それが見抜けないほど面接官は無能じゃありません。
社交辞令は不要なので、あなたの言葉で、あなたの考えを堂々と話しましょう。
合格のコツ③:「何ができるのか」まで話す
アピールすべきポイントを間違えないことが重要です。
「私は常に、売上目標に対して120%以上の実績を維持してきて、2期連続で年間MVPを獲得しました!」
意気揚々とこう語る人が多いですが、ぶっちゃけ「…で?」と思います。
多分これは「圧倒的な結果を出して会社からも認められている私は、誰よりも営業デキますよ!」ということをアピールしたいんだと思います。
でも、面接官として聞きたいのはそこじゃありません。「で、結局新しい環境ではどんなことができるの?」という部分です。
アピールのココがズレている
売上目標対比120%は凄いことですし、MVPだってきっと大勢の中のほんの一握りであろうことはわかりますが、それはあくまで「その会社内の物差しにおける評価」です。
伝えるべきは以下のような情報です。
- どんな市場で
- どういう商品を
- どういった手法で顧客を獲得して
- その後のフォローはどうしているのか?
- どんな工夫をしたのか?
- その結果に繋がった要因は何だと分析しているか?
こういった情報があって初めてその人の市場価値を測ることができます。
面接では社内評価や関わったプロジェクトの大きさではなく、「目標に対してどのようなアクションをしたのか」ということです。
つい聞き入ってしまうプレゼンとは
視点が高い話です。
自分個人に与えられた目標だけでなく、「会社としてはどこを目指していて、自分はそこにどう寄与しているのか」みたいな話ができる人はもう一段高い評価に繋がります。
会社というのは個人戦ではなくチーム戦なので、この視点を持って行動できる人というのは、どこの会社でも評価されますし、同時に管理職には欠かせない素養です。
合格のコツ④:再現性をアピールする
その人が「何ができる人なのか」がわかったら、次に見るポイントは、「再現性」です。
つまり「うちの会社でも前職と同等以上の活躍が見込めるか」ということです。
なぜなら、前職ではエースプレイヤーだった人材が、入社後の環境に全く適応できずパフォーマンスを発揮できない、というのは全然珍しくないからです。
外部要因か努力や工夫によるものか
前職の実績がどんな要因によるものかは結構重要です。
- 製品やサービスが売れやすいものだった
- 優れた同僚からの充実したサポートがあった
- 会社が取り入れているツールが優れていた
などの外部要因に助けられていた可能性があるからです。
転職することでこの外部要因が全て変わるので、本人に備わっている素の力や経験値を測らなければ、この再現性が担保できません。
「要因」から「展望」を話す
うまくいったという既成事実は直接的な評価になりにくいです。
その結果を出せた「要因」はなんだったのか、「もし入社したらその要因をどのような形で活かせそうか」という部分を具体的に語れる人は、この「再現性」が高い傾向にあります。
失敗談はマイナスポイントにならない
成功体験だけを語って失敗談を隠す傾向にありますが、「その失敗から何を学んで、どう活かしているか」という点についても積極的に語るといいです。
「失敗という事象をどう捉えて、どう起き上がったか」という部分から、その人の価値観や成長性を見て取ることができます。
合格のコツ⑤:事前に面接内容を知り対策を立てる
転職エージェントを使うと目に見えて合格率が上がります。
なぜなら、かなりツッコんだことまで情報提供してくれるからです。
- 面接官が誰で、どんな役職の人物か
- 面接で聞かれる質問内容
- 過去の応募者から分析した合格傾向
- その会社が求めている人物像
エージェントは企業の採用担当者と面接を受けた応募者双方からフィードバックを受けていてるので、他では聞けないこういった情報を持っています。
エージェントはあなたが入社して初めて企業から報酬を受け取れるので、あなたが合格できるよう最大限バックアップしてくれます。
とはいえ、情報にムラもある
上記の情報は「過去に自分たちの転職サービスを使って内定した人がいる」ということが前提です。
なので、下記のような場合はここまで詳細な情報を持っていない場合もあります。
- そもそもまだ応募した人がいない
- 内定した人がいない
- その企業との取引がまだ始まったばかり
とはいえ、エージェントのサポートがあるか無いかで合格率に差が出るのは事実で、僕自身も本当に助けてもらいました。
以下の記事で僕が5回の転職活動で実際に使って役立ったエージェントをまとめているので、あわせてチェックしてみてください。
>> 5回の転職でわかった|役立った転職サイトと転職エージェントまとめ
面接の本質を理解していれば迷わない
最後にもう一度要点をまとめます。
- 面接の本質3つ
① 面接に必勝法は存在しない
② 点数稼ぎは無意味です
③ 不採用の理由は能力不足だけじゃない - 面接でやってはいけないことは「反省」、やるべきことは「変えないこと」
- 合格率を高めるコツ5つ
① 好感のポイントは2択
② ユニークさをアピールする
③「何ができるのか」まで話す
④ 再現性をアピールする
⑤ 事前に面接内容を知り対策する
ということで、本記事の本質を理解すると、面接の取り組み方が大きく変わるはずです。
転職市場は誤解とポジショントークが割と多いので、本質を理解して振り回されずに立ち回りましょう。
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