・頑張らなきゃいけないのはわかってるけど、会社に行きたくない…
・入社から日が浅いし、今やめるのは逃げだよなぁ…
・いま逃げたらこの先ずっと逃げグセがついちゃいそう…
こういった疑問に答えます。
本記事の内容
- 「甘えかどうか」という思考は実はそんなに重要じゃないです【理由を解説】
- 辞めたいと感じる大きな理由【2つあります】
- 理由によって対策が分かれます
- 辞めるべき会社かどうかを見極める基準【対策と合わせて解説】
この記事の信憑性
筆者の僕は、5回転職して計6社に勤めました。
その中で「マイナビ」という会社の勤務経験と、長年やっていた人事部の経験もあって、「求人市場」や「特性に合った成果の出やすい仕事」「転職活動の立ち回り方」に詳しくなりました。
こんな背景の僕が「会社を辞めるのは甘えか?」についてまとめました。
タイトルにもある通り「甘えかどうか」は気にしなくて大丈夫ですが、もう一歩踏み込んで本質を考えるべきかな、と思います。
「会社辞めたい」は甘え?そんなの気にしなくて大丈夫
先に結論ですが、「これは甘えかどうか」を結論づけるのは無意味です。なぜなら、どっちに転んでも自分を追い詰めることにしかならないからです。
事実:「甘え」VS「甘えじゃない」=どっちもシンドい
- 甘えだ → 甘えたこと言ってないでもっと頑張らないと
- 甘えじゃない → 転職・異動 → 繰り返す
上記の通り。
「甘えか、甘えじゃないか」という思考は本質を見失っており、環境を変えてもまた繰り返す可能性が高いです。
辞めたい理由はなにか
じゃあ考えるべきことは何かというと、「そもそも辞めたい理由はどこにあるのか」ということです。
内省せずに環境を変えるということは、「環境のせい=他責」です。
耳が痛いかもですが、これは僕自身も経験しました。この状態でただ環境を変えても、自分が変わっていないから繰り返しやすい、という構図です。
なので、「甘えかどうか」に悩むのはあまり意味がないと思います。
「会社辞めたい」と感じる2つの理由
「会社辞めたいなぁ」と感じる理由は内的な問題と外的な問題の2パターンがあります。
- 外的要因:環境が合わない(会社の風土・人間関係など)
- 内的要因:適正に合わない仕事をしている
①を原因だと考えがちですが、まず疑うべきは②です。
理由と合わせて解説します。
理由①:環境が合わない
抽象的な表現ですが、大枠で合わない場合は環境を変えてOKだと思います。
- 自分は革新的だけど、社風は保守的
- 自分はやる気あるけど、会社全体が惰性
- 努力し、成果も上げているけど評価が不当
- 明らかに世の中の流れについていけてない(副業解禁など)
たとえばですが、こんな感じ。なんとなくイメージできますかね?
大枠の部分は経営層がコントロールしており、文化は長年の蓄積で形成されているものなので、大きな変化は期待できませんので。
広い意味では「上司とウマが合わない」みたいなものも環境に含まれると思いますが、身近な人との人間関係に悩んでいる場合は、まず②を疑うべき。
パターン②:適正に合っていない仕事をしている
「適性に合わない仕事をしている」というのは「静かなところでじっくり作業をする方がパフォーマンスを発揮できるのに、絶えず人と接触する営業職をやっている」みたいな感じです。
やってもやっても結果が出ないし、ミスが多発して責められまくり。
「仕事デキないヤツ」というレッテルが貼られると、上司や同僚からの風当たりも強くなりがちで、「人間関係に悩んでいる」という人に多いケースです。
「自分は仕事デキない人」は錯覚です
僕はいわゆる「本当に仕事ができない人」はほとんどいないと思ってます。なぜなら、どんな人にも得手不得手が必ずあるから。
「自分は仕事できないヤツなのかも…」と思うメカニズムは以下。
- 適正に合わない仕事をする
- 笑えないくらい成果が出ず、絶望して転職
- また適正に合わない仕事をする
- また成果が出ず、絶望
- 自分は仕事できないヤツかも → 徐々に確信に変わっていく
こんな感じ。
当たりを引けなければずっとうまく行かないので、「自分は仕事ができないヤツだ」と錯覚し、回数が重なるとその錯覚は確信に変わっていきます。
1/27,000の職業ガチャ
日本国内だけでも27,000種類くらいの職業があるそうです。何かの文献で読んだと記憶していますが、ソースは忘れてしまいました。
対して、生きているうちに経験できる職種は、多い人でも10種類くらい。
単純計算で当たる確率は「10/27,000=0.037%」です。
数字が正しいかどうかは置いとくとして、「偶然、適職に就く」というのがどのくらい低確率の運ゲーか、ということは伝わるかなと思います。
会社に行きたくない人は「適正」を理解すべき
繰り返しになりますが、「適正がわからず就職=低確率の職業ガチャ」です。
職業ガチャに外れた結果、成果が出ず、仕事がつまらなくなり、周囲からの評価も得られず、「会社辞めたい」に着地します。
適正を理解すると、全てが変わる
適正を特定できると、以下のようなレールに乗りやすくなります。
- 狙って適職に就ける
- 仕事の成果が出て、評価される
- 周囲から認められ、収入も上がりやすい
状況が好転するので「全てが変わる」といっても過言じゃないですよね。
実際に、「部署のお荷物社員だった人が、異動先で見違えるように活躍する人材になった」という場面に何度も遭遇しました。
とはいえ、適正にはとても厄介な点があります。
「適正」の落とし穴→自覚がない
特性は言い換えれば「得意・不得意」です。
僕を例にすると、「1日10時間パソコンに向かってブログを書く」というのは、疲れはしますが苦ではありません。人によってはこれは地獄の作業でしょう。
つまり「自分にとっての常識は他人にとっては非常識」だったりすることが多々ある、という話です。目に見える比較対象とか第三者からの指摘がないとまず気付けないんですよ。
「適職」は世界共通のテーマ
当たり前ですが、これはあなたの身にだけ起こっている話ではありません。
「自分の適正は何か?自分に向いている仕事は何か?」という悩みは日本全国どころか、世界の共通テーマでして、「人は何をどうすれば最高のパフォーマンスを発揮できるのか」という課題は、すでに日本どころか世界中で研究されていて、ある程度答えも出ています。
自分の適正を詳しく知りたいと思う方は、「自分の才能に気付いてる?統計から本当に向いている仕事がわかる有能ツールまとめ」という記事をどうぞ。
http://mane-talk.com/sainou-tokusei/
補足:社内評価と市場価値はまったく別物
今の給料と市場価値が大きく乖離している人も多いです。
つまり、本来よりも安い給料が設定されている、ということ。
今の評価や給料はあくまで「社内での相対評価」でしかなく、「市場全体から見た価値」とはまったく異なります。そんな限られた空間での評価が、あなた自身の価値なわけがありません。
なお、適正年収は「ミイダス」 というサイトで数分で査定できます。
無料な上、スマホだけで完結できるので、サクッとやってみるといいです。
「職能の親和性」を理解しよう → 「市場価値」と「特性」がコンパスになる
上で解説した「市場価値」と「特性」を踏まえて、ここで超重要な「職能の親和性」について、順を追って解説します。
前提:自分視点の転職活動は失敗しやすい
転職活動や情報収集をするときって、「自分にはどんな仕事ができそうか」「できれば今よりちょっとでも給料高い方がいいな」という視点で求人を探すと思うんですが、これは微妙です。
なぜなら、「同業他社は風土も似ている」「給与レンジも大体同じ」というゾーンから抜けられず、転職しても今の不満を繰り返す可能性が高いからです。
確認した「市場価値」と「特性」がコンパスになる
じゃあどうするかというと、「第三者視点で提案してもらう」というのがおすすめ。
この時にさっき確認した市場価値(適性年収)と、特性がコンパスの役割を果たします。
一般的な言い方ではありませんが、特性と職種の間には「職能の親和性」というものがあって、プロの第三者ならこの親和性から思いもよらない、適性にあった仕事を提案してくれることがあるのです。
【重要】特性と職種の親和性 → 例を見るとすぐわかります
「親和性」がすぐわかる例を1つ挙げます。
【現職】店長職
【職能】バイト管理・シフト管理・スタッフ教育
【親和性のある職種】スーパーバイザー・塾講師など
ここ重要なんですが、「職種」は似ていなくても「職能」で見ると、今の仕事のスキルをそのまま活かしたまったく違う仕事がある、ということです。
この「親和性」はマイナビに勤めている時に知った概念なので、多分ほとんどの人は知らないはず。
そしてこれを知らずに現職で店長をしている人が、「自分にスーパーバイザーの適性がある」なんて夢にも思わないでしょう。
「第三者」とは? → スカウトやエージェントです
転職サイトに登録するとき、大体どこのサイトでも「職能」を入力する項目がありますが、あれは裏で親和性のある職種とのマッチングにも使われています。
だから、現職とは一見無関係そうな職種のスカウトが届くんです。
同じく、転職エージェントでも(担当コーディネーターが有能であれば)この親和性に沿って自分では考えつかないような職種を提案してくることがあります。
【外的要因】辞めるべき会社かどうかの判断基準
1つの会社に長く勤めていると、他の会社の内部情報というのはほとんど入ってきません
多くの会社から見ると異常なことも、自社では「普通」とされていればなかなかそれに気付くのが難しくなります。
南フロリダ大学の研究「ブラック企業の定義」
これについて南フロリダ大学の研究で、疫学調査やアンケートなど72件の論文からメタ分析した「本当にストレスが溜まって体に悪い会社の条件7つ」がランキング形式で公開されています。
つまり、今自分が働いている会社で以下の条件に当てはまるほど、科学的根拠に裏打ちされたヤバい会社ということになります。
本当に辞めるべき会社かどうかの客観的判断材料として、以下の記事が参考になると思います。
>>【逃げろ】今すぐ辞めて転職すべきヤバいブラック企業7つの特徴
「本腰を入れて動かない情報収集活動」がおすすめ
「会社辞めたい」と思う理由が外的要因の場合、残念ながら自分の努力で解決できる可能性はほとんどありません。
この場合は転職活動が直接的な解決策になりますが、短期で次の会社を決めたり、いきなり現職を辞めて転職活動を始めるのはリスキーです。
なので、
自分から能動的に求人を探すのはかなり労力がかかるので、スカウトや提案だけを受動的に受け取って情報収集するという使い方がおすすめです。
これなら活動にかかる労力は最小限で、現職も続けたまま、自分では思い付かない新しい職種の可能性を知ることができます。
魅力的なオファーがあった時だけ応募するかどうかを検討すればOKです。
情報収集することで自分の新たな可能性が見えると、少しずつ自信も湧いてくるし、気持ちに余裕も出てきます。それこそ「サクッと辞める」という選択肢も出てきます。
もしかしたら、理不尽な上司に今より堂々と意見が言えるようにもなるかもですね。
注意:転職サイトとエージェントは星の数
なお、転職サイトやエージェントはすぐには選べないほどたくさんあって、転職活動以前に比較したり登録したりするだけでも疲れてきます。
断言しますが、実力のないサイトやエージェントを選んでしまうと情報収集もまったく捗りません。これは身を持って経験済みです。
「比較検討」という無駄な作業をショートカットしたい方は「4回の転職でわかった転職サイトと転職エージェントの最も効率的な使い方」という記事をご覧ください。
マイナビ時代の競合サイト、4回の転職活動で数十サイトを実際に使った結果わかった、有能なサイトとエージェントだけを解説しています。
http://mane-talk.com/tensyoku-site-osusume/
今辞めたら迷惑がかかる・・・それホント?
とはいえ、「今辞めたら絶対みんなに迷惑かかるし…」と思いますよね。
これ事実ですが、ぶっちゃけいつ辞めても大なり小なり迷惑はかかります。なので、迷惑がかかることを気にしてたら一生辞められません。
「迷惑をかけない」なんてそもそも不可能
迷惑をかける前提で、迷惑を最小限に抑える辞め方を考えて実践できればそれで十分です。
それに、あなた一人が抜けたくらいで支障が出るような会社やチームなら、それはあなたじゃなく上司や会社の問題です。
できる範囲で構わないので、残る身近な人たちに混乱が起きない程度に、準備をしておいてあげてください。
結論:辞めても普通に大丈夫
どんな状況であれ、あなたが抜けたくらいじゃ会社も部署も機能停止にはなりませんので安心してください。
一時的に残りのメンバーにしわ寄せはいくかもしれませんが、あなたが抜けても何事もなかったかのように明日も会社は回ります。
僕は4回も会社を辞めましたが、ちょっと悲しくなるくらいどの会社も通常営業でしたよ。
退職を伝えることすら難しい時の対処法
・パワハラ上司で辞めることを言い出せない
・人間関係が悪くてできれば顔も見たくない
・辞めたいけど簡単に辞められない事情がある
こういった問題を抱えている人はかなり多いです。
だからといって、雲隠れのように無断退職するのは思わぬところで足かせになるので、マジで辞めておいた方がいいです。
これは人事部に居たことがある人しか知らないことで、僕は実際にやっていました。
→【元人事部】無断欠勤は解雇になる?対処法と理由をまとめとく
もし上記のような自分ではどうしようもない理由で退職に踏み切れないなら、費用はかかってしまいますが 退職代行 を使うのもアリです。
一番身近だと、嫁さんの元同僚が利用して「後腐れ無く一瞬で終わらせてくれた!」とめちゃくちゃスッキリした様子でした。
よくある疑問:現職が忙しすぎて全く余裕がない場合
忙しさの度合いによるかなと。
- 体調を崩すほど忙しい
→ これは迷わず辞めるべき - 1日の平均残業が3時間以上
→ 残業を減らしつつ休日に情報収集 - 1日の平均残業が2時間以下
→ 急いで辞めなくてもいいかなと。空き時間を使いましょう。
上記の感じで、仕事が辛いなら「少しサボる」くらいでOKです。
なぜなら、残業が多い時点で「過度な仕事量」だということですし、ぶっちゃけ一生居る会社でもないでしょうから。
自分の体を守るためのサボりは正義ですよ。
そして、時間の余裕を作りつつ、自分の将来に時間を投資していきましょう。
まとめ:会社辞めたいなら情報収集からはじめよう
最後に、この記事の要点をまとめます。
- 「会社辞めたいのは甘えかどうか」は問題の本質ではないです
- 特性と合わない仕事は誰でも結果が出なく辛いもの
- 「社内評価」と「市場価値」は別物、自信喪失になる必要なしです
- 「職能の親和性」をわかっておくと仕事の可能性が大きく広がります
- 職業の提案はサイトやエージェントなどの「第三者」に任せてみましょう
- 転職活動ではなく情報収集活動が労力少なくておすすめです
- 辞める時はいつでも迷惑かかるので、最小限に留める努力をしましょう
- どうしても辞めづらいときは退職代行をうまく使いましょう
繰り返しになりますが「仕事辞めたい」と思うのは「仕事がつまらない」か「辛い」のどちらかです。
その原因の多くは「市場価値に合わない給料」と「適性に合わない仕事」にあります。
僕はこれに気付いてから、仕事のストレスはどんどん減って、給料はどんどん上がりました。この事実が少しでも伝わって、気持ちが楽になればと思います。
実はこの記事は、最初の仕事で胃を痛めながら耐えていた昔の自分に向けています。
当時の自分のような方に、この記事が届けばいいなぁと思っています。
この記事が参考になったら
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こんにちは!
私自身周りの目を気にするタイプなのですが
ブラック企業で心身共に疲れ果てたとき
「もうこの人たちとは一生会わないんだから」と考えるようにして
自分都合で逃げるように辞めました。
迷惑を最小限に抑える辞め方という文字を見て心が痛くなったので
コメントさせていただきました笑
メラモンさん
こんにちは!コメントありがとうございます。
心を痛めてしまったようですいません・・・笑
傷つける意図はもちろん無いんですが、思わぬところで再会したり、手を借りざるを得なくなったことが何度かあるので。
「仕事」と括るとつい軽視しちゃいますが、「人生」という尺度で見ると、どんな出会いも大事にしておいて損はないと思います。