筆者の僕は転職経験5回、年収は290万→1,000万円ほど。
また、後半3社では人事部で3,000人以上の面接官を担当しました。
世の中には集めきれないほど転職の情報が溢れていますが、もうほとんど機能していないような古い価値観も多いなぁと実感しています。
昔転職活動をした友人知人や、親のアドバイスなんかを鵜呑みにしていると、古い価値観に振り回されて消耗してしまいます。
本記事では、転職経験と面接官経験両面から「一般的にはこう言われてるけど、実際の現場ではそうでもなかったなぁ」ということをまとめてみました。
古い情報は早めにアップデートした方がいいですよ。
【時代遅れ】転職活動の都市伝説を5つ解説
以下の5つの価値観はもう古くなっていて、都市伝説と化しています。
- 大手企業出身は転職しやすい
- 社長賞・MVPは強力なアピールポイントになる
- 資格があれば有利になる
- 「3年勤めた」という事実
- 転職すれば年収が上がる
順に見ていきましょう。
勘違い①:大手企業出身は転職しやすい
「有名企業に入社したら自分の市場価値が上がる」と思っている人が結構多いですが、「大手出身の肩書き」はほとんど役に立ちません。
なぜなら、「その人自身は何ができる人なのか?」が決定打になるからです。
大手企業出身でも評価されない例
- 上司に言われたことだけをこなしてきた
- 自分の意思がなく、目の前の仕事をただこなしてきた
- 組織や商品のバックアップのお陰で成果が出ていた
上記のような感じだと、価値を生み出していたのは「上司」や「会社」だった可能性が高いので、社外に出た時に評価はされづらいと思います。
「どこに属していたか」よりも「仕事の中身と再現性」
転職活動で評価されるのは以下のような点です。
- どんな仕事をしてきたか
- その仕事にどう関わったか
- 環境が変わっても再現できるか
仮に勤めていた会社が中小零細企業でも、自分の頭で考えながら自力で成果を出してきた人は高い評価を得られるはず。
僕自身も、大手でも有名企業でもない従業員30人程度のベンチャーIT企業に勤めていた時期がありました。
「自分にできること」を常に考えながら行動し、成果を出し続けた結果、在職中に年収が100万円ほど上がり、次の転職でさらに100万円アップを叶えることができました。
勘違い②:社長賞・MVPは強力なアピールポイントになる
社内表彰はすばらしい実績だと思います。
最優秀新人賞とかだと「その年の同期の中で特に頑張った」という評価。
なので、社外でも評価される実績かというと、そうとは限りませんよね。
受賞歴よりも評価の中身
転職活動では「表彰された」という事実よりも、「どんな基準で、何を評価されての表彰だったのか」という部分がポイントになります。
シビアな話ですが、評価されるのは「努力賞」ではなく、「何をやったことによる表彰か」という明確な実績です。
勘違い③:資格があれば有利になる
僕は資格を取ること自体は間違いなくプラスで、努力の過程は評価されるべきと考えています。とはいえ、取得しただけでは評価に直結しない、とも思っています。
資格の価値が下がっている話
「資格を持っているだけで有利」というのは事実でしたが、今は評価されづらい世の中になりました。要因は以下の3つ。
- 資格保有者がかなり増えた
- スキルが不明確な民間資格の乱立
- クラウドソーシングの普及で有資格者を雇う必要性が薄れた
こんな感じなので、「○○の資格を保有しています」からもう一歩進んで、「保有している○○という資格で、御社のこんな課題を解決できるかもしれません」といったアピールが大切かなと思います。
持っているスキルをどう活用できるか?みたいな部分を説明できると、単なる資格コレクターとの差別化にもなりますので。
資格に対する誤解は根深く、「資格ビジネス」によって誇張されている部分が多いので、イメージと現実のギャップを深堀りした以下記事も合わせてどうぞ。
>>【断言】転職で有利になる資格なんてほぼ無い|元人事部が証言する
勘違い④:「3年勤めた」という事実
「早期退職は不利になるから、最低3年は続けるべき」という価値観は今も根強い気がします。
これは僕の主観ですが、「しんどい思いをしながらただ在籍期間を延ばしてもあまり意味がない」という結論に至りました。
事実:表面的な事実よりも中身が大事
たとえば以下のような2人がいたとしたら、どうでしょう。
- 3年在籍、我慢しながら言われたことをこなしてきただけ
- 1年在籍、能動的に努力と工夫をしながら成果を出してきた
後者の方が人間的にもスキル的にも成長している気がしませんかね?
「どちらを採用したいですか?」と質問したら、ほとんどの人は後者を選ぶんじゃないかなと思います。
大切なのは期間よりも中身ですよね。
勘違い⑤:転職すれば年収が上がる
「今の給料が不満だから転職したい」という人は今でも大勢います。
でも、同業他社に転職しても給料はほとんど変わりません。
年収を100万以上増やしたければ「業種ずらし」
会社ごとに評価基準や福利厚生制度の違いはありますが、一歩引いてみると業界ごとに大体の給料レンジが似通っています。
- 飲食業で年収500万を目指す→レンジが300万円くらいなのでハードモード
- IT業界で年収500万を目指す→レンジが600万円くらいなのでノーマルモード
もの凄くざっくりですが、上記の通り。
もちろん会社や職種によって違いますが、それ以上に業界毎の水準の違いは大きいです。
転職に有利になる心構え
以降は、じゃあ何をしておけば転職活動で有利になるの?という話です。
「いつでも辞められる状態」を作っておく
結論、転職する・しないに関係なく「情報収集をしておくこと」です。
「その気になればいつでも辞められる」という状態は精神的にかなり楽でして、今の会社に依存した働き方、考え方から抜け出すことができます。
「シンドいけど簡単には辞められないし…」という考えで追い詰められてしまうことが多い気がしますが、これは「情報が無いから」かなと思います。
集めておくべき情報とは
いくつかありますが、経験上、以下のような情報は役立ちました。
- 世の中で必要とされている能力
- 求人情報
- 自分の可能性
- 自分の市場価値
- 自分の強み・特性
上記の通り。
社内で求められるものと、転職市場で求められるものの「差」が正しくわかると、どんな仕事をすべきかも見えてくるはず。
自分のリソースを把握しておく
上記③④⑤の補足です。
客観的に、正確に自分の価値を理解できている人はまだまだ少ない気がします。
もう少し掘り下げると、以下のような感じです。
- 自分の可能性 → 職能を活かせる別業界・別職種
- 自分の市場価値 → 適正年収の査定
- 自分の強み・特性 → 向き不向き
この辺りを把握すると、転職市場で自分はどの位置にいるのか?がわかり、自分の強みを活かせる舞台のようなものも見えてきます。
以下の記事で具体的な情報収集の方法などを解説しているので、合わせてどうぞ。
>> 元マイナビ社員が教える「自分に合った仕事」が見つかる診断2つ!
「辞めること」を目的に転職活動しない
これは心の底から思うことですが、「仕事も転職もあくまで手段」です。
「自分はどんな生き方をしたいのか」「どんな生活を送りたいのか」を叶えるための選択肢の一つに過ぎません。
「何をするか」よりも「それをやったらどうなるか」の方が大事なはず。
自分の働く目的(=仕事で得たいもの)が見えていないなら、最優先で考えるべき。
それが得られる仕事なら続けるべきだし、得られないとハッキリわかっているなら、そこに居続けても目的には近づけませんので。
自分はどうなりたかったのか、今の仕事はそれを叶える手段になっているかどうか、これを忘れないためにも、情報収集する習慣を付けるといいですよ。
本記事のような古い常識に振り回されることもなくなりますしね。
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