・ソーシャルレンディング投資にはどんなリスクがあるのか知りたい
・ソーシャルレンディング投資のリスクヘッジの方法を知りたい
こんな人に向けた記事です。
ソーシャルレンディング投資をする前に、リスクなどについて書かれている「重要事項説明書」という書類が出されますが、文量が多くて全部読むのはちょっとシンドいです。
そこで本記事では、「ソーシャルレンディング投資のリスクとその対策」についてわかりやすく解説します。
簡単解説:ソーシャルレンディング投資とは
ソーシャルレンディングとは
ソーシャルレンディングとは、「資金を必要としている企業」と「投資先を探している個人」をマッチングするサービスです。
身近な言葉だとクラウドファンディングの一種で、「融資型クラウドファンディング」とも呼ばれています。
なお、「ソーシャルレンディングがどんなものかよくわからないです…」という場合は以下の記事をどうぞ。
>>「ソーシャルレンディング」とは?|初心者でもプロと同じ投資成績
ソーシャルレンディング投資のリスク9つ【リスクヘッジも解説】
ソーシャルレンディング投資で考えられるリスクは以下の9つです。
- ソーシャルレンディング会社のリスク
- 融資先の業績リスク
- 融資先がわからないリスク
- 倒産時の法的リスク
- 担保リスク
- 資金ロックのリスク
- 社会情勢リスク
- 為替リスク
- 天災リスク
順に解説します。
リスク①:ソーシャルレンディング会社のリスク
仲介役のソーシャルレンディング会社が業績不振などに陥るケースで、一番想像しやすいリスクかなと思います。
リスクヘッジの方法 → 3つある
- 上場企業が運営するソーシャルレンディングを選ぶ
- 業績を公開しているソーシャルレンディングを選ぶ
- ソーシャルレンディング会社を分散する
上記の通り。
ソーシャルレンディング運営会社の業績が影響するリスクなので、財務状況がしっかりしている運営会社を選ぶか、複数のソシャレンに分散投資すればOKです。
リスク②:融資先の業績リスク
こちらは融資先の会社が業績不振になったり、融資先の事業が想定よりも利益が出なかったというケース。
もちろん融資を募る前段階でソーシャルレンディング会社が審査してますが、ぶっちゃけそうならない融資先を見極めるのは至難の業です。
リスクヘッジの方法 → 担保設定
担保が設定されている案件を選びましょう。
たとえばですが、「返済が滞った場合、担保にしている不動産の売却益から支払われる」といった感じですね。
リスク③:融資先がわからないリスク
融資先の財務状況がわかれば返済能力の有無を判断しやすいですが、融資先の企業名や事業内容などが全部伏せられている案件も少なくありません。
これは法律上の決まりで「借り手の保護」という考え方があるためです。
リスクヘッジの方法 → 公開案件を選ぶ
情報が公開されている案件から選べばOK。
以下はクラウドバンクで募集されていた公開案件です。(会員限定ページなので黒塗りだらけですが)
リスク④:担保リスク
担保が設定されていればいいかと言うと、この担保にもリスクがあります。
たとえば担保が不動産の場合、不動産業界全体の市況が悪化すると担保の価値が下がったりもしますよね。
また、天災などで担保物件が倒壊する可能性も無きにしもあらずです。
リスクヘッジの方法 → あまり深く考えなくてOK
天災はもはや「運が悪かった」としか言いようがないですが、不動産業界の市況は数ヶ月で激変することは滅多にありません。
ソーシャルレンディングの投資期間は長くても1年とかなので、そういった意味では不動産担保は割と相性が良いんじゃないかなと思います。
リスク⑤:倒産時の法的リスク
集めた投資金を管理している会社(=エスクロー会社)が倒産すると、破産管財人などに資金が押さえられてしまう可能性があります。
まだ事例がないので「この先ないとも言い切れない」という感じのリスクです。
リスクヘッジの方法 → 運営会社の財務状況をチェック
エスクロー会社は、ソーシャルレンディング会社の子会社のケースがほとんど。
なので、心配であればソーシャルレンディング会社の財務状況をチェックしておけばOKです。
リスク⑥:資金ロックのリスク
ソーシャルレンディングに投資した資金は、基本的に途中で解約したり引き出すことができません。
なぜなら、その資金はどこかに融資されて事業などに使われているからです。
リスクヘッジの方法 → 余剰資金で投資する
ソーシャルレンディングに限った話じゃありませんが、「動かせないと困る」「最悪無くなったら生活に支障が出る」みたいなお金を投資しないのが鉄則です。
投資期間中に必要になりそうなお金はよけておいて、ロックされても問題ないお金で投資すべき。
リスク⑦:社会情勢リスク
ソーシャルレンディング会社や融資先に落ち度がなくても、リーマンショックやコロナショックのような世界的な経済危機が起きると返済が滞ったり債務不履行になる場合があります。
リスクヘッジの方法 → 分散投資
これはソーシャルレンディング内だけではガードするのが難しいリスクなので、ソーシャルレンディング以外のジャンルにも投資するなどしておきましょう。
たとえばですが、住居型の家賃収入は経済危機になったからといって激減したりはしないので、不動産投資型クラウドファンディングで住居に投資しておく、とかですね。
リスク⑧:為替リスク
外貨建てで融資する案件の場合に限り起こり得るリスクです。
- 米ドル建てで投資
- アメリカで金融危機が発生して為替が下落
- 投資資金の価値が下がる
上記のような感じですね。
リスクヘッジの方法 → 融資先の国と通貨をチェック
投資対象が国際プロジェクトや海外不動産などの場合、円建てか外貨建てかを確認しておきましょう。
もちろん「外貨だからダメ」という話じゃなく、こういったリスクを負う必要があるということを認識するためです。
リスク⑨:天災リスク
これはそのまんまですが、融資先の会社やプロジェクトが実施される地域で大規模な天災が起きると、返済が滞ったり債務不履行になる可能性があります。
1つのファンドに全ツッパしない
「全ツッパ=全額投資」です。
全ての資金を1つのファンドに投資して、万が一貸し倒れが発生したら…その時点で投資自体から退場になってしまいます。
ファンドは山ほどあるので、最低でも3つくらいに分散投資すべき。
1つのソーシャルレンディングに投資しない
もう少し視野を広げてみると、すべての資金を1つのソーシャルレンディングサイト内で運用するのもリスキーです。
万が一そのサイト運営会社が破綻したらオワコンになってしまいますので。
分散投資の理想は、「全く違うものに平行して投資すること」です。
目安として、1か所に投資するのは多くても全資金の20〜30%程度がいいかなと思います。
…これだけしつこく言っても全ツッパで失敗して「やっぱり投資はコワイ…地道に働くのが一番だ…」という謎の思想に至る人が一定数います。
悪いことは言わないので、ちゃんと分散しましょう。
リスクヘッジの方法 → 分散投資
社会情勢リスクと同様に、天災リスクを受けにくいものに分散投資しておきましょう。
たとえばエネルギー系のプロジェクトなどは天災時に需要が増えたりしますよね。
僕は近い性質がある生活必需品の事業に分散投資しています。
重要:最大のリスクは「資金の一極集中」です
なんとなくお分かりいただけたかと思いますが、投資では「一ヶ所にお金を集める」という行為そのものがリスクです。(銀行預金も同じですよ)
クラウドバンク内でも分散、クラウドバンク外にも分散しておくことで、このリスクは最小限にすることができますよ。
上記3つのリスクヘッジは投資全体に言えることでして、基本中の基本です。
もし「へー!そうなんだ!」という感じであれば、以下の記事は必ずチェックしておきましょう。投資での失敗を未然に防げるようになります。
>> 投資初心者は何から始めるべき?→まずはサクッと基礎を勉強すべき
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もっと体系的に投資の基礎を学びたい方は以下の有料noteもあります。
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ソーシャルレンディング投資のリスクの捉え方
ここまで読んでみて、「ソーシャルレンディングってリスク盛りだくさんなんだ…辞めておいた方がいいかな…」と思ったとしたら、ちょっと勉強不足かもです。
なぜなら、リスクとはその人のイメージ力や経験値の違いで見えたり見なかったりするものだから。
自画自賛みたいでちょっと気持ち悪いかもですが、僕は少し投資経験が長いので、経験から解説してきたようなリスクが見えるというだけです。
リスクの向こう側をイメージする
大事なことなので繰り返しますが、「リスク=イメージ力」です。
- 稼げない人:
リスクいっぱい → やめておこうかな…
リスクが見えない → よし、やってみよう - 稼げる人:
リスクいっぱい → 回避方法をイメージして実行
上記の感じ。なんとなく伝わりますかね?
リスクは避けるものではなく、真正面から向き合うものでして、向き合い方を鍛えないとリスクが見えないときに安易で危険な投資をしてしまいますので。
リスクを見つけるスキルを身に付ける方法
ズバリ、色々なものに投資して経験を積むことです。
当たり前の話ですいません…こればかりは実際に体験していくしかないので、経験を積む目的で少額投資をする期間を作るべきかなと思います。
リスクがわかると行動が変わる
ソーシャルレンディングは割と新しめの投資法ですが、本記事を読むことでイメージはできたかなと思います。
リスクを理解しているかいないかでは、投資をする上での判断が変わり、判断が変わると行動も変わります。
手間が少なくリターンも大きめの投資なので、どのリスクを許容して、どれに対して対策するかを考えつつ、まずは小さく始めてみましょう。
おすすめのソーシャルレンディング会社とは
運営がしっかりしている、貸し倒れを起こしたことがない、融資先が割と安定しているなどの理由で、以下の5社がおすすめ。
「おすすめソーシャルレンディング5選|現役投資家が徹底比較してみた」という記事で詳しく解説していますので、合わせてどうぞ。
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